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2018/04/26
漢方の知恵を食事に生かした薬膳と、季節や天気による体調変化を研究する生気象学をもとに食養生のレシピ開発も手掛ける石田よしみさんが、くるみを脳活に取り入れるメリットをご紹介します。
脳の働きをアップさせる“健脳食材”として注目されているくるみ。実は、古くから伝承されてきた薬膳においても、健脳やアンチエイジングの食材としてくるみは広く利用されています。そんなくるみの健脳効果や、お子さんにおすすめの摂取方法などをまとめました。
健康のために摂取している方が多いくるみですが、脳の活性化を促す“健脳食材”としても注目度が高まっています。しかし、健脳効果を期待してくるみを食することは、なにも今に始まったことではありません。古くから生薬として親しまれ、薬膳のもとになっている中国伝統医学(中医学)の理論のなかでも、くるみの摂取が脳の発育や働きの向上につながることが説明されているのです。
中医学では、体の臓器と働きを 5つのグループにわけ、それぞれの主導的な役割をする臓器を肝・心・脾・肺・腎の5つと考えます。このなかで成長や老化、生殖をつかさどるのが腎で、子供の健全な成長や成人の老化を予防するためには、腎を養うことが大切であると教えられています。
腎の働きをさらにくわしくみると、『主骨生髄(しゅこつせいずい)』というものがあります。腎が骨をつかさどり、髄を生むという意味です。ここでいう髄には、現代の骨髄などのほか、中医学で髄海(ずいかい)とよんでいる脳も含まれています。腎を補うことが、体や脳の発育を促し、集中力や思考力などの機能もアップさせることにつながるので、昔から賢い子を育てるには腎を補う食事が大切であると教えられてきました。(*)
この腎を養う代表的な食品がくるみです。胡桃肉(ことうにく)や胡桃仁(ことうにん)という名前の生薬として、漢方薬にも利用されています。
中国では成長期の子供にくるみを日常的に食べさせる習慣が今でも残っています。中国で生まれ育った知り合いは、おばあちゃんのいいつけで毎朝 2個を自分で殻を割って食べていたそうです。ハンマーで割るのが大変だったようですが、弟さんと四苦八苦したことがよい思い出になっているそうです。
近年の研究では、もっと明確にくるみの健脳効果が証明されています。米国ミシガン州アンドリューズ大学で学生を対象に行われた研究では、くるみ 1日60gを 8週間摂取したグループは、摂取しないグループに比べて、「推論的論証能力」(間違いから正解を発見する能力)が改善したことが分かりました。また米国カリフォルニア州フォルサム-カリフォルニア大学で行われた研究では、くるみの摂取が記憶力、集中力、情報処理速度などの認知機能試験の成績を向上させる可能性があることが示され、この効果は年齢や性別、民族を問わずあらわれたそうです。
薬膳では、近年の研究と同じく、くるみは毎日摂取することが大切だと教えられています。我が家の場合には、子供が毎日コンスタントに食べられるよう、お菓子やディップ、ふりかけなど、子供が好きな日常のメニューに入れるように工夫をしています。
特に手づくりふりかけの場合、青菜やじゃこ、焼きじゃけ、焼きたらこなど、さまざまな食材と組み合わせることができ、白いご飯にかけるだけでなく、おにぎりやトースト、サラダのトッピングなどにも活用できます。飽きずに食べられるのでおすすめです。
古今東西を問わず健脳食材として愛されているくるみ。中国において、長きにわたり親しまれていること自体が、くるみに健脳効果があることを証明しているように感じます。くるみのアレンジ料理で、子供の体と脳の成長を応援してあげて下さいね。
(※)中医学にもとづいた内容となり、有効性に関してカリフォルニア くるみ協会が推奨・保証するものではございません。
参考文献
・日本中医食養学会発行テキスト『中医薬膳』
・日本中医食養学会発行『現代の食卓にいかす「食物性味表」』
くるみ、水菜、じゃこで作るソフトふりかけ。
くるみとじゃこは薬膳では脳の発育を促し、思考力や集中力をアップさせる食材として、昔も今も利用されています。水菜は骨の成長や落ち着いた心をつくるカルシウムがたくさん含まれています。育ち盛りのお子さんにぜひ食べてもらいたいふりかけです。
白いご飯にのせるほか、おにぎり、チーズトーストにトッピングしてもおいしくいただけます。