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2012/11/13
米国カリフォルニア州フォルサム――(2012年11月13日)
『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリションAmerican Journal of Clinical Nutrition』の最新号に、植物性オメガ3脂肪酸のアルファリノレン酸(ALA)が心血管疾患(CVD)に対してもたらす保護作用を評価したメタアナリシスが発表されました。この研究では、ALAが心血管疾患、とりわけ冠状動脈性心疾患(CHD)による死亡のリスク低下と関連していることが判明しました。この結果により、心臓の健康に対するALAの潜在的な効果が裏づけられるとともに、一般消費者が十分な量の ALAを食事に取り入れるべきであることが示唆されます。くるみは植物性オメガ3脂肪酸の ALAが豊富な唯一のナッツ類であり、ALAの主要な供給源です1。わずかひとつかみでALAが2.5グラム摂取できます。
今回の系統的レビューで27件の研究、合計25万 1,049人の被験者を検討した結果、総ALA摂取量が心血管疾患のリスク低下と関連することが判明しました。実際、食事に関する統合分析で、1日当たりのALA摂取量が1グラム増えるごとに冠状動脈性心疾患による死亡リスクが10%低下していました。これまでオメガ3脂肪酸に関する研究結果の大半は海洋性を対象としていましたが、最近では植物性オメガ3脂肪酸であるALAへの注目が高まっており、ALA摂取が心血管系によい効果をもたらすことも示唆されています。研究者たちは、ALAに直接的または間接的な抗不整脈作用があって、ALAが冠状動脈性心疾患に対して保護作用をもつと思われる理由の一部がそれで説明できるのではないかと考えています。これまでの研究で、ALA摂取がコレステロール値を低下させ、血栓症によい効果をもたらし、内皮機能を改善し、炎症を抑える働きのあることが判明しています。
くるみなどに含まれる植物由来のオメガ3脂肪酸は、魚に含まれるオメガ3脂肪酸と異なります。ペンシルベニア州立大学の栄養学特別教授のペニー・クリス=エサートン博士(Penny Kris-Etherton, Ph.D., 登録栄養士、米国栄養士会会員)によれば、消費者は植物性オメガ3脂肪酸の栄養効果を理解する必要があるそうです。同博士は「研究によって、ALAの作用には ALA特有で他の要因とは無関係な効果があって、これが私たちの健康にとって重要なのかもしれないということがわかってきました」と指摘しています。
心臓専門医のジェイムズ・ベッカーマン博士(James Beckerman 医学博士) は、今回の研究がきわめて注目に値すると考え、心臓の健康増進と致死的な心イベントの潜在的リスク低減のために、ALAの豊富な食品をもっとたくさん食事に取り入れるべきと提言しています。「植物性のALA源のほうが魚由来のオメガ3脂肪酸と比べて価格が安く、多くの人にとって入手も容易であることを考えると、今回の研究は心疾患と戦うための武器を増やし、生活に容易に取り入れられて安全で受け入れやすい食事介入という手段を与えてくれます」とベッカーマン博士は指摘します。
栄養所要量を定める医学研究所(IOM)は、ALAを 1日 1.1~1.6グラム摂取することを推奨していますが、これは容易に達成できます。「たとえばくるみをひとつかみ食べるのは、ALA摂取量を増やすためのすばらしい方法です。わずかひとつかみ、すなわち 1オンス(約28グラム)で、医学研究所の推奨する ALA摂取量を大きく上回ります。ほかにもいろいろな栄養素がたっぷりなのは言うまでもありません」とクリス=エサートン博士は言います。ALA以外にも、くるみは抗酸化物質が豊富で、さらにクリス=エサートン博士の考えでは相乗的に作用すると思われるさまざまな微量栄養素も含んでいます。
企業向け情報、健康に関する研究、レシピアイデアについてなど、詳しくは www.walnuts.org(英語)またはwww.californiakurumi.jp(日本語)をご覧ください。
メディア用関連情報の提供:
■B論文要約へのアクセス:
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2012/10/17/ajcn.112.044040.abstract
医療専門家の方向けリソースガイド:
■高解像度写真
■Bロール素材映像
■くるみの写真
■ナッツ類のオメガ3脂肪酸のALA含有量を比較するチャート:
http://www.walnuts.org/health-professionals/walnut-nutrition-information/alphalinolenic-acid/
■専門家のインタビューもご要望に応じて提供します。
・ペニー・クリス=エサートンPenny Kris-Etherton(Ph.D.、登録栄養士、米国栄養士会会員)ペンシルベニア州立大学栄養学特別教授、全米脂質学会前会長
・ウェンディー・ベイジリアン Wendy Bazilian(公衆衛生学博士、文学修士、登録栄養士)ライター、栄養コンサルタント
・ジェイムズ・ベッカーマン James Beckerman(医学博士)心臓専門医、『フレックス・ダイエット』著者
*カリフォルニア くるみ協会(California Walnut Commission/CWC) とは
1987年に設立されたカリフォルニア くるみ協会は、約4,100のくるみ生産者と90のくるみ加工業者から成り、生産業者の課徴金から資金を得ています。カリフォルニア州の代理機関として、カリフォルニア州食品農業局(CDFA)の長官と協調して活動します。主に健康に関する研究と輸出市場開拓の活動をおこないます。カリフォルニアくるみに関する健康情報、レシピ、または産業界に関する情報は、 www.walnuts.org(英語)及び www.californiakurumi.jp(日本語)まで。
1 注意:1オンス(約28グラム)のくるみは総脂質が18グラム(うち2.5グラムが一価不飽和脂肪、13グラムが多価不飽和脂肪で、そのうち2.5グラムが植物性オメガ3脂肪酸のアルファリノレン酸)、食物繊維が2グラム、タンパク質が4グラム、抗酸化物質が3.68ミリモルである