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    くるみが乳がんのリスクを制御する可能性を発見

    2011/09/07

    カリフォルニア くるみ協会(本部:米国カリフォルニア州フォルサム)は、先頃『ニュートリション・アンド・キャンサー』に発表された研究で、マウスにくるみを食べさせると乳がんの腫瘍の形成と増殖の両方が遅延することが新たに判明したと発表しました。

    ■くるみ食で乳がんの発症リスク、腫瘍の個数とサイズも優位に低下
    この研究は米国ウェストバージニア州マーシャル大学ジョーン・C・エドワーズ医学部のエレイン・ハードマン博士(Ph.D.)が率いたもので、受胎時から離乳期までは母親経由で、その後は餌を直接食べることによって、コーン油を与えた対照群とくるみを加えた試験群が与える影響を一生にわたって比較しました。試験で摂取させたくるみの量は、ヒトなら1日約2オンス(約57グラム)に相当します。

    ハードマン博士によると、試験期間中、受胎時から離乳期までと離乳後の両期間でくるみ食を摂取した試験群が乳がんを発症する率は、対照群の半分未満でした。また、腫瘍の個数とサイズもくるみ食の試験群の方が有意に低下しました。

    「遺伝子解析によって、マウスとヒトの両方で乳がんと関連する複数の遺伝子の活性が、くるみ食によって変化することが判明しました」とハードマン博士は説明しています。博士の研究室は、マウスを使った過去の研究で、移植した乳ガンの増殖がくるみの摂取によって遅延することも発見しています1

    ■全てのがんの30~60%は食事で予防できる
    アメリカでは女性8人中1人が生涯のうちに浸潤性乳がんにかかることを考えると2、この発見はきわめて重要で、私たちががんをはじめとする慢性疾患と戦うのを助けるために生活の中でできる選択についての理解を深めてくれます。今回の研究を率いたハードマン博士は、「私たちは今、全てのがんの30~60%が食事で予防できると考えています。私たちが摂るべき健康的な食事とは、健康的だとわかっている食品、すなわち新鮮な野菜と果物、全粒穀類やナッツをたっぷり取り入れたものです。くるみはそのような食事において重要な要素となりえます」と語っています。

    ■くるみは渋皮ごと食べることに意味がある
    ハードマン博士は、くるみの一成分だけではなく、くるみ全体ががんに対する効果をもたらすと考えています。「くるみの渋皮を取ってしまったら、同じ効果は得られないでしょう」と博士は述べています。 「個別の栄養素だけでなく、食べ物全体による影響を調べる今回のような研究が必要です。私たちは食べ物をそのように食べていますし、研究によれば健康的な食品で身体を守るにはそのような食べ方がベストであることもわかっています。たとえばくるみは、抗酸化物質、植物ステロール、植物性オメガ3(n-3系)脂肪酸などの身体保護成分がぎっしり詰まった栄養密度の高い食品ですが、これらの成分は互いに協調して作用するのです」と、アメリカ癌研究所の栄養学顧問を務めるカレン・コリンズ(M.S.、R.D.、C.D.N.〔理学修士、登録栄養士、認定栄養士〕)は言います。

    ■研究レポートへのアクセス
    http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/01635581.2011.589959?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed

    *カリフォルニア くるみ協会 (California Walnut Commission/CWC) とは
    1987年に設立されたカリフォルニア くるみ協会は、生産業者の課徴金から資金を得ています。カリフォルニア州の代理機関として、カリフォルニア州食品農業局(CDFA)の長官と協調して活動します。主に健康に関する研究と輸出市場開拓の活動をおこないます。カリフォルニアくるみに関する健康情報、レシピ、または産業界に関する情報は、www.walnuts.org(英語)及び www.californiakurumi.jp (日本語)まで。