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    くるみが「コレステロール」「中性脂肪」「血圧」「体重」に影響~ ハーバード大学 の研究者が25年間のエビデンスを検証

    2018/07/18

    ハーバード大学の研究者が25年間のエビデンスを検証

    ハーバード大学が最新のシステマティックレビューにより、コレステロール、中性脂肪、血圧、体重をはじめとする心臓血管系のリスク因子に対するくるみ摂取の有効性について、25年分のエビデンスを検証しました1。その結果、くるみを豊富に取り入れた食生活は、対照食に比べて、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪、アポリポタンパク質Bを大きく低減させる可能性があることがわかりました。

    2009年に公表された最初のメタ分析では、365名の個人を対象とした13件の臨床試験のレビューを実施しています。2。研究者は、その後発表された臨床試験を評価し、最新のレビューを発表しました。

    前回の3倍にあたる 1,059名の臨床試験参加者(22歳~75歳)を対象とした26件の無作為化比較試験が検証されました。対象者には、健康な人ばかりでなく、高コレステロール、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、過体重または肥満など、さまざまな症状を持つ人が含まれています。くるみを豊富に含んだ食事(重量で1日のカロリー摂取量の5~24パーセント、1日あたり 14g~109.2g)と、対照食(低脂肪食、地中海食、アメリカや日本の伝統的食事など)が比較されました。対照食と比較すると、くるみを補った食事では、総コレステロール値が3.25%減、LDLコレステロールが 3.73%減、中性脂肪が 5.52%減、アポリポタンパク質B(LDLコレステロール中に発見される一次プロテイン)が 4.19%減となり、著しい低減効果が見られました。さらに、食習慣にくるみを取り入れても、体重や血圧には一切マイナスの影響がなかったとのことです。

    くるみについては、ガン、腸の健康、糖尿病、認知機能、男性のリプロダクティブヘルスなど、さまざまな健康面での利点の可能性について研究が進められていますが、中でも心臓血管系への有効性におけるエビデンスは最も確固たるものです。米国心臓協会および米国食品医薬品局は、くるみは心臓に良い食品として認証しており3、健康に効果をもたらす数多くの特性があると考えられています。くるみは、摂取が推奨されている多価不飽和脂肪を豊富に含み(28g当たり 13g)、その中には、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸(アルファリノレン酸)も豊富に含まれています(28g当たり 2.5グラム)。また、ポリフェノール(1グラム当たり69.3±16.5マイクロモル、カテキン相当)やγ(ガンマ)トコフェロール(28g当たり 5.91ミリグラム)など、さまざまな抗酸化物質(28g当たり3.721ミリモル)も、くるみから摂取することができます4

    全ての科学的研究に共通することですが、この研究には考慮すべき限界があります。このレビューで取り上げた臨床試験のサンプルサイズは比較的小さく、有意な効果があると判断するには十分でないかもしれません。またいくつかのケースでは、臨床試験におけるくるみの摂取量が比較的多く、研究を目的としない状況下では、同じ摂取量を維持することが難しい可能性があります。しかしながら、少量(1日28g未満のくるみを摂取)するだけでも、総コレステロールとLDLコレステロールについては大いに効果があると研究者は考えています。

     

    本研究はカリフォルニアくるみ協会(CWC)の支援を受けています。CWCはくるみに関する健康関連研究を25年以上にわたって積極的に支援しています。CWCはさまざまなプロジェクトに資金やくるみそのものを提供していますが、実際の研究においては、実験の計画、結果の解析、論文執筆など、研究者が独自の立場で実施しています。

     

    参考文献:

    1Guasch-Ferré M, Li J, Hu FB, et al. Effects of walnut consumption on blood lipids and other cardiovascular risk factors: an updated meta-analysis and systematic review of controlled trials [published online ahead of print June 21, 2018]. Am J Clin Nutr. doi: 10.1093/ajcn/nqy091

    2Banel HK, Hu FB. Effects of walnut consumption on blood lipids and other cardiovascular risk factors: a meta-analysis and systematic review. Am J Clin Nutr. 2009;90(1):56-63.

    3 Supportive but not conclusive research shows that eating 1.5 ounces of walnuts per day, as part of a low saturated fat and low cholesterol diet, and not resulting in increased caloric intake may reduce the risk of coronary heart disease. One ounce of walnuts provides 18g of total fat, 2.5g of monounsaturated fat, 13g of polyunsaturated fat, including 2.5g of alpha-linolenic acid, the plant-based omega-3.

    4 Halvorsen BL, Carlsen MH, Phillips KM, et al. Content of redox-active compounds (ie, antioxidants) in foods consumed in the United States. Am J Clin Nutr. 2006;84:95-135.

     

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