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2017/08/30
最新の研究により、くるみを摂取すると腸内の善玉菌プロバイオティクスの量が増加し、消化器官の健康にとって有益である可能性が示唆されました※1 。くるみが、消化器系の健康を維持するバクテリアに栄養を与え成長させるプレバイオティクスとして作用するのです。くるみ入りの食事を摂取すると、腸内細菌の多様性が総合的に優位に増加することが明らかになりました。
「腸の健康は新しい研究分野ですが、細菌の多様性があればあるほど、健康面で良い結果と結びついている可能性があると私たちは推察しています。しかし、多様性が少ないと肥満や炎症性腸疾患のような状態を引き起こします」とルイジアナ州立大学生理学部研究開発准教授で主要研究者のラウリ・バイアリー博士が述べています。
この動物研究では、人間では1日当たり約2オンス(約57g)に相当する粉末状のくるみ入りの餌ともう一方では、くるみ無しの餌をラットに無作為に割り振り、10週間与えました。研究期間中、2つのグループは同等のカロリーと栄養を摂取しました。結果、くるみ無しのグループと比べ、くるみ入りの餌を食べたラットのグループはラクトバチルス(乳酸菌)、ロブゼリア、ルミノコッカス属を含む有益な細菌の増加がみられました。
「腸の健康は体全体の健康に関わっています。この研究ではくるみが腸内環境に影響することを示していますが、くるみが心臓や脳など体の健康になぜ良いのかを説明するのに役立つかもしれません」とバイアリー博士は述べています。
くるみは、植物由来のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸(ALA、1オンス(約28g)当たり2.5g)を豊富に含む唯一のナッツで、プロテイン(1オンス当たり4g)、繊維質(1オンス当たり2g)も含まれています。くるみの生物活性成分が、このような健康効果をもたらす要因になっている可能性があります。
動物を使った研究はバックグラウンドとして、人間への効果を解明する今後の研究に必要な情報提供に使われます。今回の動物実験による研究結果では新たにくるみの健康効果が示されましたが、人体への影響を理解する為にはさらなる研究が必要です。
この研究は、カリフォルニアくるみ協会(CWC)と米国癌研究協会(AICR)の支援により行われました。CWCは25年以上にわたり、くるみの健康に関する研究の支援をしています。CWCは様々なプロジェクトに資金やくるみを提供していますが、実験方法の設計、結果の解釈、 論文執筆は、研究者が第三者的に行っています。
■カリフォルニアくるみ協会について
カリフォルニア くるみ協会 California Walnut Commission (CWC)は、カリフォルニア州のくるみ生産者と加工・販売業者を代表する機関で、カリフォルニア州農務局の管轄のもとに各種調査・研究、輸出相手国での啓蒙活動を行う非営利団体です。 対日活動は1986年の殻付きくるみの輸入解禁と同時に設立され、その主な役割は日本におけるカリフォルニア産くるみの需要拡大を目的とする宣伝、PR、販売促進、調査などを企画実施することにあります。 海外では日本のほか、ドイツ、スペイン、中国、韓国、インド、トルコ、イギリス、EUに代表事務所を置き、良質なカリフォルニア産くるみを広めるためのさまざまなマーケティング活動が行われています。
カリフォルニアくるみに関する健康情報、レシピ、または産業界に関する情報は、 http://www.californiakurumi.jp/ (日本語) http://www.walnuts.org/ (英語)まで。
参考文献:
※1 Byerley LO, Samuelson D, Blanchard E, et al. Changes in the Gut Microbial Communities Following Addition of Walnuts to the Diet. J Nutr Biochem. 2017. DOI: https://doi.org/10.1016/j.jnutbio.2017.07.001.