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栄養と健康
高齢化が進む現代において、骨粗しょう症は深刻な問題となっています。くるみに豊富に含まれる α-リノレン酸が骨を丈夫にするという臨床試験結果が発表されました。骨の「分解」と「形成」の2つのバランスが「形成」の方に傾くということが示されたのです。
ヒトの骨は生涯を通して古い骨を壊して吸収し(骨吸収)、その場所に新しい骨を作る(骨形成)ことにより、血清中のカルシウムの値を調節すると共に骨の強度も保っています。これを骨代謝と呼びます。 必須オメガ3脂肪酸の一種である α-リノレン酸(ALA)が、骨の健康状態を改善することがペンシルベニア州立大学の研究で立証され、2007年1月16日付の「ニュートリション・ジャーナル」に発表されました。 くるみとアマニ油を加えたアルファリノレン酸の高い食事と、リノール酸の高い食事の2種を平均的な米国人の食事(AAD)と比較した結果、骨吸収を表す数値が平均的な米国人の食事に較べて、くるみを加えたアルファリノレン酸食において最も低下しました。 この研究は、ヒトにおいて骨の健康状態に対する植物性オメガ3脂肪酸(ALA)供給源の効果を評価した最初の研究です。この研究結果から、α-リノレン酸の摂取量が増えれば骨の代謝が抑制され、骨の「分解」と「形成」の2つのバランスが「形成」の方に傾くということが示唆されました。 くるみには、α-リノレン酸の供給源となるホールフード(何も加工せず、何も添加していない食物のこと)の中でも特に栄養密度が高いという特徴があります。高齢化社会の今、骨粗しょう症や骨折は治療の長期化により寝たきりのリスクも高くなります。普段から食生活などに気をつけ、骨を丈夫に保つことを考えていくことが大切です。