California Walnut Nutrition & Health

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認知症

脳科学の第一人者 久保田競先生にくるみの栄養についてお聞きしました。

くるみに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸(ALA)※1は、脳の灰白質形成に重要な影響を及ぼすDHAの親的な存在で、脳の発達に必要な栄養を供給し、認識機能をサポートする栄養素として知られています。

※1:α-リノレン酸(ALA)は、植物由来のオメガ3脂肪酸です。

オメガ3脂肪酸は、脳情報伝達にかかわっている神経細胞(ニューロン)の膜に含まれる大事なリン脂質の一つで、神経細胞膜がうまく働くように、また特に神経細胞の継ぎ目で情報伝達にかかわっているシナプスの周辺部が重要であり、シナプスが可塑的に働くようにしてくれています。

神経細胞のオメガ3脂肪酸が少なくなると、学習・記憶や認知・思考の能力が低下してきます。厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』(2010年版)では、オメガ3脂肪酸の摂取量の目標値を決めており、1日あたり(18~29歳)男子で、2,100ミリグラム以上、女子で1,800ミリグラム以上としています。

※くるみ一つかみ約28gには2,542ミリグラムのオメガ3脂肪酸が含まれます(米国農務省データ)。 以上、オメガ3脂肪酸を多く含むくるみを食べることは、脳によいことがお分かりいただけると思います。

プロフィール 久保田 競(くぼた きそう)

久保田競

京都大学名誉教授(1996年就任)、医学博士。1957年、東京大学医学部卒業。 当時、脳研究の第一人者であった時実利彦教授に師事し、脳神経生理学を学ぶ。大学院3年目に米国・オレゴン州立医科大(現在のオレゴン健康科学大学Oregon Health & Science University)のJ・M・ブルックハルト教授のもとで最先端の研究に従事。1973年、京都大学霊長類研究所神経生理研究部門教授に就任、同所長を歴任する。2007年より国際医学技術専門学校副校長に就任。社会医療法人大道会・森之宮病院学術顧問、日立製作所 中央研究所 嘱託。著書、多数。

くるみで加齢性の運動・認知障害が改善!

くるみの摂取によって、脳の力を高められる可能性があるとの研究が、米アンドリューズ大学の研究者らによって行われ、科学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション」で発表されました。研究者は食事にくるみを加えることで「健康の期間」を増やし、神経系統の衰えによる疾病の始まりを遅らせることができるかもしれない、と述べています。

くるみの摂取による認知・運動機能の改善効果

認知症とくるみ

高齢ラットに、くるみを6%含む食事(ヒトの場合約28gに相当)を与えることによって加齢性の運動障害および認知障害が改善できることが新たな研究で判明しました。この研究はタフツ大学ジャン・マイヤー米国農務省人間加齢栄養学研究センターのジェイムズ・ジョゼフ博士率いる研究チームにより行われ「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション誌(2009)」にて発表されました。

ジョゼフ博士は、今回得られた見解がくるみなどの食品によって、加齢性の運動・認知能力の低下に対抗する方法を検討する将来の研究に向けて大きな可能性を示すものと考えており、くるみが神経伝達と新しい神経細胞の増殖を促進するとともに、加齢に伴う活性酸素を中和させ脳を保護する力をもつのではないかと考えられ、食事にくるみを取り入れることにより、消耗性の神経変性疾患の発症を遅らせることで「健康な期間」を延長し、「長寿のメリット」をもたらすことができるかもしれないと結論しています。

博士は「必須脂肪酸、植物性オメガ3脂肪酸(αリノレン酸)、ポリフェノール、抗酸化物質などのくるみに含まれる多様な成分を考えると、今回の結果は驚くに値しない。健康的な食事に1日7~9個のくるみを加えるだけで、高齢者の認知能力が改善される可能性がある」と説明しています。

鳥取県や茨城県で行われた認知症疫学調査では、認知症は65歳以上の老人人口の約10%を占め、認知症患者の7割前後がアルツハイマー病とも言われています。認知症やアルツハイマー病を防ぐ方法はまだ発見されていませんが、最近の研究でくるみなどの特定の食品を摂取し、身体を活発に動かし、社会活動にかかわることが、認知力の健康の維持と改善に役立つという可能性が示唆されています。